星野リゾート トマムスキー場の口コミ・評判・感想
■星野リゾートトマム(北海道勇払郡占冠村)
「バブルの香りを残す壮大なリゾート」。それがトマムの印象でしょうか。北海道の中央部、内陸に位置するこのスキーリゾートは1983年に「アルファリゾート・トマム」として開業しました。バブル期に設備投資を拡大して、無人地帯だった山林にタワーがそびえる一大リゾートに成長しています。
しかし、1990年代後半から2000年代前半にかけて開発に参加した企業があいついで破綻。やや複雑な経緯を経て、2005年より星野リゾートが一括して運営を開始、2011年にアルファリゾート・トマムから、星野リゾートトマムに名称を変更しました。2015年には、中国の投資会社フォースン・グループ(復星集団)傘下の「上海豫園旅游商城」が、株式会社星野リゾート・トマムの全株式を取得。中国企業傘下のスキー場となりました。運営は星野リゾートが引き続きになっています。
総面積255haに広がるゲレンデはとにかく壮大。内陸部に位置するだけあって気温は低く、ときにはマイナス30度近くになります。十分なパウダースノーにも恵まれています。JRの駅がリゾートに隣接して存在し、新千歳空港から1時間あまりで着くことができます。高速道路もつながっていて、バスでも新千歳空港から2時間ほどです。このアクセスビリティは、北海道の主要リゾートでは随一といえるでしょう。もちろん施設も充実した一大リゾートとして知られています。
トマムスキー場の口コミ・評判・感想まとめ
- シーズンの晴天率が高く、70%もある。
- 風雪でリフトが止まることがほとんどない。安定さは魅力。
- とにかく寒い。きんとしている。
- ゲレンデは初心者と上級者向けが充実。中級者は滑るところがあんまりない。
- 山麓の緩斜面が平らすぎで、しかも長い。ボーダーには地獄。
- リゾートは壮大、ゲレンデは今ひとつ。
- リフト・ゴンドラが少ない。
- リフトは高速クワッドが主体。週末は行列がひどい。
- バブルの夢を見に行くスキー場。
- 星野リゾートになってから、運営は改善した。
- ホテルのチェックインが大行列。リフト券買うのも行列。連休や年末年始は悲惨。
- リフォームは毎年少しずつ進めているらしい。
- フォレストモールの食事処はバリエ豊富。
- 日帰りでは着替えるところが少ない。日帰り客は相手にしていない印象。
- 中国人が多い。
- アクセスは抜群。東京から最も近い北海道リゾート。
トマムスキー場のゲレンデ概要
総面積:123.9ha
コース数:29
最大標高/最低標高:1171m/585m
標高差:585m
最長滑走距離:4200m
最大斜度:35度
リフト・ゴンドラ数:6本
レベル割合:初級30%、中級40%、上級30%
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トマムスキー場の口コミ・評判・感想
「高い晴天率、低い気温、荒れにくい天気。他の北海道のスキー場にないものを備えているゲレンデ」。トマムのファンが指摘するのはその天候です。トマムの晴天率は公称70%。3日いれば2日は晴れる計算で、冬の北海道では傑出した数字です。そのぶん積雪量は少ないですが、2015年11月に一部コースで人工降雪機を導入。低い気温もあって溶けにくく、雪不足を訴えることはあまりありません。ときにマイナス30度近くまで下がることもあり、ダイヤモンドダストを見られることもあるそうです。
ただ、残念ながらトマムは北海道の大規模スキー場としては、人気が伸び悩んできました。その理由はゲレンデにあり、「正直いって退屈。一度滑れば十分」という声に集約されるでしょう。総面積はたしかに広いのですが、スキー場のコース取りが巧くなく、とくに山麓の長い緩斜面が不評です。練習する初心者にはいいようですが、直滑降でしか下れないような斜度の緩さで、「ボーダーは先に進めなくて困る」という声は多いです。レベル割合を見ると中級が40%となっていますが、「中級コースでも難易度が本当の中級向けなのは一部」という感想もありました。「エキスパート向けと初心者向けのコースがほとんどで、その中間があまりない」という指摘もみられます。
近年はリフトの架け替え・整理が進められ、10本以上あったゴンドラ・リフトは6本にまで集約されました。全体的には面積に比べてリフトは少なめです。中上級者はクワッドとゴンドラで回すのが基本ですが、それだと「滑走距離の半分が超緩斜面」になってしまいます。
いっぽう、上級者にはなかなか評価が高いです。その理由は「上級限定解放エリア」の存在です。ヘルメット着用、保険の加入など一定の条件を満たし、合意書にサインした上で、ヘルメットとビブを着用すれば、スキー場のコース外を滑ることができます(禁止エリア除く)。ゲレンデの上級者コースは少ないですが質が高く、「雪質がよくコブが滑りやすい」とのことです。
ということで、初級者と上級者には評判が良く、中級者にはちょっと退屈、というのがトマムスキー場の代表的な評価です。スキーヤー・スノーボーダーには中級が多いので、「トマムのゲレンデはちょっと残念。一度行けば十分」という声になってしまうようです。
それでも、最近のトマムは人気が上がっています。その理由は星野リゾートの運営に対する期待でしょう。「年々ゲレンデやホテルの設備をリニューアルしていて、行くたびに改善されている」というファンの声も聞かれます。もともと、トマムは施設がとても充実しているリゾートです。「プール、スノーアクティビティなどの充実度には驚いた」という声もあるほどです。
客室リニューアルもだいぶ進み、質が高くなってきました。なかでも人気は、「星野リゾート リゾナーレ トマム」。全室がジャグジー付きのスイートで知られたかつての「ガレリア・タワースイートホテル」です。現在はファミリー向けになっていて、「子連れで訪れるには広くて素敵」とのことです。ここに限らず、「全体にファミリー向けのリゾートに転換している」というのが最近の傾向のようです。
ただし、多くの人が宿泊する「ザ・タワー」は客数に対してロビーやフロントなどの設備が貧弱で、チェックイン、アウト時には大混雑します。ロビーは人でごった返し、「チェックインまで立ったまま30分も行列させられた」「リフト券売り場の窓口が一つしかなく、15分も並んだ」という経験談もあり。「1泊4万円もするホテルで、30分も立たされるとは」と呆れる声もあります。格安ツアーならいいですが、混雑期に高値で泊まるのは避けたほうがいいかもしれません。
2015年に中国企業傘下になってから、目立って増えたのが中国人。「北海道のスキー場はどこも中国人が増えていますが、トマムはとくに多い」という感想もありました。新型コロナ禍を経てからは、東南アジア系の客も増え、スタッフもアジア系が多いです。日本人客も多く、ニセコほどの「外国感」はありません。
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ゲレ食は改善してきました。ゲレンデサイドの店は乏しいですが、シーズン中のフォレストモールでは、期間限定でたくさんのレストランが営業しています。海鮮丼、ラーメン、居酒屋などバリエーション豊富です。
もともと、国鉄が開発に関わったリゾートのため、鉄道アクセスは良好。スキーリゾートに隣接して鉄道駅があるのは北海道ではトマムだけです。新千歳空港駅から直通列車はありませんが、一駅隣の南千歳で乗り換えてトマムに行くことができます。実質的な所要時間は、鉄道で新千歳空港からトマムまで1時間15分ほど。バスで2時間ほどです。
トマムスキー場のまとめ
北海道のスキーリゾートの光と影を体現するスキー場。それがトマムなのかもしれません。星野リゾートになり、運営の質は高くなり、客室のリニューアルも進んできました。
ゲレンデのバリエーションは今ひとつですが、低い気温と晴天率の高さは魅力。人工降雪機も導入されて、シーズン初め、終わりの雪不足の心配も少なくなりました。なにより、新千歳からのアクセスが良いので、東京・大阪から2泊程度のツアーなら選んでみたいスキーリゾートです。2泊でニセコは時間的に厳しくなりやすいですが、トマムなら余裕があります。
また、北海道のスキー場では珍しく超緩斜面が充実しているスキー場です。子供向けの施設も充実していますので、ファミリーで本州から来る場合には、いい選択肢になるでしょう。ファミリーをメインターゲットにしたゲレンデとしては、北海道ナンバーワンかもしれません。
イベントやスノーアトラクション、雪遊びも豊富です。プールもあります。スキーだけを楽しむのでなく、冬の北海道リゾートをいろんな側面で楽しむには、とても向いている場所かもしれません。
※口コミ、評判は、当サイト関係者の訪問した印象や、実際に滑った人からの感想を集めたものです。公平を心がけていますが、主観が混じっていますので、ご了承下さい。